「チームを形成し、事業アイデアを創出する」を実施しました。
横浜市では2050年までに脱炭素化「Zero Carbon Yokohama」を目指しています。その実現のためには横浜市内全体のCO2排出量の約3割を占める家庭部門において脱炭素ライフスタイルの実践を進めるとともに、脱炭素化の取組みで市内経済の循環や持続可能な発展を推進することが必要となっています。
それらの目標に向けて昨年度は「脱炭素ライフスタイルダイアログ」を実施し、さまざまな視点から脱炭素に関する取組みを学び、脱炭素ライフスタイルを目指すために大切にしたいポイントや方向性を共有しました。そして今年度は「よこはまカーボンニュートラル事業創発ワークショップ」と称して、対話と共創を軸とした連続セッションを行いました。脱炭素ライフスタイル実現のための事業アイデア創発を行うとともに、企業や市民の協働、地域や業界の垣根を超えた共創を進める一歩にもなりました。その様子を各回レポートします。
第2回からは会場がYOXOBOXに変わり、オフィスビルとは異なり、開放感のある環境の中でワークショップは行われました。初回にすでにグループワークを通して参加者同士互いに会話をしていたこともあり、第2回は開始前から自然と名刺交換をしたり談笑したりする様子が見られました。
第2回もファシリテーター有福さんによる進行でスタート。テーマは「“想い”を起点にしてチームを形成し、ありたい未来を実現する事業アイデアを創出する」。今回からは前回生活者視点で出したアイデアや考えをベースとして、個々の参加者の想いも大切にしながらグループで事業アイデアを作っていくことが目的となります。
冒頭でIGES渡部さんが前回のセッションの振り返りを行い、各グループでカーボンニュートラルを実現するための行動について意見交換を行いました。また、前回のワールドカフェで挙げられた、カーボンニュートラルのために「取り組みたい行動」「取り組みたくない行動」「取り組みたくない要因(障壁)」「障壁をクリアするアイデア」を取りまとめ、参加者の皆さんに共有しました。「取り組みたい行動」としては、比較的行動しやすいものや取り組むと効果が大きいものが挙がった一方、「取り組みたくない行動」は、家族等の同意が必要で一人では決められないものや経済的な負担が高いもの、習慣を変えるのが大変なものや心理的ハードルが高いものが挙がっていました。そして、それら経済的または心理的負担をどのように減らしたり無くしたりできるのかについてのアイデアもいくつも挙げられていました。このように、皆で出し合ったアイデアや意見について、一定程度整理するステップを経て、いよいよ事業アイデアを考える段階です。
事業アイデア創発の「仲間づくり」にあたり、まずは参加者それぞれが自身のことについて“棚卸”をしました。ワークシートに個人の経歴、好きなことや得意なこと、思い描いていることなどを書き出し、同じテーブルの参加同士で共有しました。このようなアプローチは、普段のお仕事のなかでは、あまり機会が無いかもしれません。また、事業アイデアを考える際に個人の内面を掘り下げる作業は必要がないと感じる方もいらしゃったはずです。しかし、参加者一人一人がカーボンニュートラルを実現しようとする社会の一員であり、自分事として生活者視点をもって取り組むためには、自身の考えや想いを掘り下げ、共有することも大切です。すでにグループワークや意見交換を通じて打ち解けた様子の皆さんは、にこやかにプロフィールを共有し合い、話も弾んでいました。
次に事業アイデア創発に向け、「仲間づくり」も本格化します。今回はチームリーダーを立候補で募り、取り組みたい事業アイデアやテーマについて簡単なプレゼンを行っていただきました。事務局の不安を他所に、最終的に想いをもった7名の参加者に立候補いただき、各自のアイデアや課題意識について、プレゼン形式で共有していただきました。熱のこもった素晴らしいプレゼンが行われ、他の参加者も自然と関心のある立候補者のもとへ集い、滞りなく、チーム分けを行うことができました。この時点では各リーダーも具体的な事業の創発には落とし込まれていませんでした。だからこそ関心を持つ参加者同士が仲間となり、事業創発に向け、アイデアをブラッシュアップしていくことが大切です。
チームとして初めてで行うディスカッションのテーマは、「2050年のありたい姿」「解決したいこと」「解決策」「その結果生まれる価値」についてでした。ワークシートを活用しながら互いに意見を出し合い、その後、チーム毎に全体に向けて共有されました。参加者が関心の高いテーマ毎に集い話し合ったことでワークシップの熱気が高まった第2回でした。
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